ラッコ百科 - ラッコの保護活動 | Sea Otter Conservation

随時更新中です。Last updated: Sep 11,2017

アメリカにおけるラッコの保護

現在、アメリカでは1972年に制定された海洋生物保護法(Marine Mammal Protection Act)および73年の絶滅の危機に瀕する種の保存に関する法律(Endangered Species Act)によってラッコが保護されています。

 

この法律により、ラッコを含む希少な野生動物の保護が定められ、許可を得た者だけが直接保護にあたることができます。許可を得ていない一般人が野生動物に接触したり捕獲したりすることが禁じられているため、もし怪我などで動けない状態のラッコを発見しても決して触れたりせず、すぐにラッコの保護団体へ連絡する必要があります。

保護方針

野生のラッコが怪我や病気、親とはぐれた等の理由でラッコが保護される場合、大前提として治療・リハビリ後は自然に返すことになっています。しかし、継続した投薬治療が必要だったり、自然に適応することができないという判断がされた場合は米国内の施設で受け入れ先を探すことになります。これは魚類野生生物局が様々な手順に基づき判断するようになっています。カリフォルニアラッコについては海外への輸出が禁じられているので、どうしても受け入れ先が見つからない場合は、残念ながら安楽死になることもあります。アラスカラッコについては、近年カナダやヨーロッパの施設に受け入れられています。

赤ちゃんラッコのリハビリについては特に受け入れ側に対する条件が厳しく、受け入れ可能な施設はほんの一部に限られています。また、赤ちゃんラッコをリハビリし野生に返すことができる施設はモントレーベイ水族館のみとなっています。

カリフォルニア

ラッコの保護活動をしている団体はいくつかありますが、中でも際立っているのがカリフォルニア州モントレーベイ水族館のSORAC(Sea Otter Research and Conservation:ラッコ調査保護機関)です。SORACは、怪我や病気などで打ち上げられたラッコや、親とはぐれてしまった赤ちゃんラッコなどを保護し、リハビリ後野生に帰す活動を行っています。投薬治療を続けなければならないなどの理由で野生に帰すことができないと判断されたラッコは、全米各地の水族館で余生を過ごし、ラッコや環境保護への理解を深めてもらうための親善大使として活躍しています。

ラッコ保護プロフラムのスタッグがカリフォルニアラッコを野生に帰す© Monterey Bay Aquarium
ラッコ保護プロフラムのスタッグがカリフォルニアラッコを野生に帰す© Monterey Bay Aquarium

また、モントレーベイ水族館の素晴らしい取り組みの一つに「代理母プログラム」があります。みなしごのラッコたちがある程度固形物の餌を食べられるようになったら、メスのラッコを代理母もしくは教育係として、ラッコとして生きるために必要な教育(潜水、餌取り、毛づくろい等)をしてもらうのです。代理母に育てられたラッコは、人間が育てた場合にくらべて自然に帰ったあとの生存率が格段に上がりました。

保護された子どものラッコの世話をするラッコ保護プログラムのスタッフ。代理母ラッコに育てられ、野生に返る予定のこのラッコが人間に慣れないよう、スタッフはマスクとポンチョで姿を隠す© Monterey Bay Aquarium
保護された子どものラッコの世話をするラッコ保護プログラムのスタッフ。代理母ラッコに育てられ、野生に返る予定のこのラッコが人間に慣れないよう、スタッフはマスクとポンチョで姿を隠す© Monterey Bay Aquarium

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アラスカ

アラスカで唯一ラッコの保護・リハビリをする公的な権限を持つのは、アラスカシーライフセンターです。広いアラスカを1か所の施設で受け持つのは非常に困難ではありますが、近年ラッコの座礁が急増しており、キャパシティも限界に近付いているとのことです。
ラッコの子どもについては、この施設で育てられたものは野生に帰すことができないため、米国内の水族館を中心に、カナダのバンクーバー水族館や、最近はヨーロッパの施設にも引き取られています。

オレゴン

毛皮貿易によりラッコが絶滅近くに追い込まれて以降、オレゴン州沿岸にはラッコはいなくなってしまいました。1970年から71年にかけ、93頭のラッコがアラスカから再導入されましたが、定着することはありませんでした。ここ数年、ラッコの目撃情報が何度かありますが、まとまった個体群は確認されていません。

ワシントン

1969年から1970年の間、59頭のラッコがアリューシャン列島のアムチトカ島からワシントン中へ再導入されました。2000年から2004年の間の調査では、504~743頭が数えられています。ワシントン中は1981年、ラッコを絶滅危惧種に指定しました。

カナダにおけるラッコの保護

カナダではSpecies at Risk Act(絶滅危惧種法)でラッコは保護されています。
現在、ブリティッシュコロンビア沿岸のラッコは「special concern」(特に懸念される)に分類されています。

ブリティッシュコロンビア

アメリカのワシントン州とアラスカ州の間に位置するブリティッシュコロンビア州にも、再導入後バンクーバー島の太平洋沿岸でラッコが増えています。この地域で身動きができなくなったラッコはバンクーバー水族館の海洋哺乳類保護センターが唯一保護にあたっています。
また、バンクーバー水族館は、アメリカで保護されたアラスカラッコの子どもも積極的に引き受けています。