【記事】2011年以来のサンフランシスコ湾で見つかったラッコ、死ぬ | Richardson Bay Sea Otter, First in San Francisco Bay Since 2011, Dies

 本日は2015年7月16日付BayNatureの"Richardson Bay Sea Otter, First in San Francisco Bay Since 2011, Dies"をお届けいたします。
数年ぶりにサンフランシスコ湾でみつかったラッコが、死んでいたのが発見されました。

サウサリート~ミルバリートレイルのサイクリストたちの脇を泳ぐラッコ(Photo by youtube user NorthwesternPacificHistoryIsCool)
サウサリート~ミルバリートレイルのサイクリストたちの脇を泳ぐラッコ(Photo by youtube user NorthwesternPacificHistoryIsCool)

ここ数週間リチャードソン湾で暮らしていた若いカリフォルニアラッコが、週末にかけて死んでいた。

このラッコ3歳から4歳のオスのラッコで、先週の土曜日に発見されカリフォルニア州魚類野生生物局へ死後解剖のため送られた。獣医病理学者メリッサ・ミラーはいくつかの死因は除外できるものの、一つに特定できていないと述べた。

「発見されたことは特に異常なことではありませんでした。そのラッコはやせていました。皮下脂肪が余りありませんでした。生体毒素もしくは他の種類の問題があったようです。でも、銃撃による傷のような犯罪の痕跡ややボートの衝突などの痕跡はみあたりませんでした」

これは、アラメダで2011年に目撃されて以来のサンフランシスコ湾で確実に目撃されたラッコで、1979年以降でわずか16番目の「信頼できる報告」だと魚類野生生物局太平洋局のアシュリー・スプラットは言う。しかし、カリフォルニアラッコは主にサンマテオからサンタバーバラにかけての沿岸に生息しているが、サンフランシスコ湾は歴史的にはかつてのラッコの生息域の一部であり、また若いオスのラッコは広く北はトマレス湾から南はサンディエゴ郡まで広く出没することが知られている。

「本当に興味深いのは、カリフォルニアラッコにとって、生息域の拡大は非常に必要不可欠だということです」とスプラットは言う。「利用できる餌に基づくと、生息域の中央部はすでに抱えられる個体数が飽和状態に達しています。従って、この報告は生息域が拡大しているということを示しているというよりは、ラッコの餌となるものがそこにあるということを示しています」

7月初め、リチャードソン湾でムラサキガイを食べるラッコ(Photo by youtube user NorthwesternPacificHistoryIsCool)
7月初め、リチャードソン湾でムラサキガイを食べるラッコ(Photo by youtube user NorthwesternPacificHistoryIsCool)

カリフォルニアラッコは1977年以降「絶滅の危機に瀕する種の保存に関する法律」に絶滅の恐れがある動物としてリストアップされており、1930年代のほぼ絶滅した状態からゆっくりと復活してきている。毎年カリフォルニアラッコの個体数を調査しているアメリカ地質調査所の2014年の報告によると、個体数はおよそ2,900頭になっている。


このリチャードソン湾にいたラッコは6月の終わりから7月の始めにかけての時期にここに辿り着き、サウサリートからミルバレーの間に続く沿道から貝や魚介類を食べたり、グルーミングをしたり、寝ているのを目撃されていた。YouTubeのユーザー NorthwesternPacificHistoryIsCooが投稿した動画によると、このラッコは海岸沿いやハイウェイ101号の橋あたりを泳いでいるのが分かる。

生物学者が定期的に観察し、海洋哺乳類センターがカヤック乗りやボートの持ち主に対しラッコに場所的な余裕を与えるよう警告する看板を立てていた。このラッコの死体については海洋哺乳類センターに通報があり、ミラー博士のもとへ検死のため送られた。


このラッコの歯はすべて成獣の歯だったが、ややすり減った跡や欠けた跡が見られたとミラー博士は言う。頭蓋骨の基礎にある縫合線に隙間があrことから、博士はこのラッコが3歳から4歳ではないかと見積もっている。まだリチャードソン湾にいた時に、このラッコに明らかな発作があったことが目撃されていたと博士は言う。そうしたことから神経系疾患があったことが考えられる。最近モントレー湾では藻類の大発生により、水中の生体毒素であるドーモイ酸が非常に高い値になっている。海洋哺乳類センターのPRスペシャリストローラ・シェールは、保護センターは先月、ドーモイ酸の毒により発作を含む症状で苦しむアシカをかなりの数目撃していると言う。

しかし、そうした発作はやせ衰えて低血糖になった動物にも見られるとミラー博士は言う。ラッコの死因を特定するには、生体毒素の検査をし、組織標本を顕微鏡で見る必要がある。

ミルバレー近くのピックルウイードの中にいるラッコ (Photo by youtube user NorthwesternPacificHistoryIsCool)
ミルバレー近くのピックルウイードの中にいるラッコ (Photo by youtube user NorthwesternPacificHistoryIsCool)

このラッコの生活には2つの「普通でないこと」があった。アラスカラッコは魚を食べるが、カリフォルニアラッコはめったに魚を食べない。しかし、ミラー博士によるとこのラッコは魚を食べていたようだ。


カリフォルニアのラッコには回虫が見つかることは非常に珍しいです」と博士は言う。「このラッコは胃の中に何匹か回虫がいました。通常、回虫を見つけたということは生きていた時に魚を食べたことがあるものと考えます」

またこのラッコは口の周りの体毛が薄くなっていた。博士によると、疥癬の一種の可能性がある。カリフォルニアラッコには疥癬を引き起こす独特のダニがいるが、これまで文献に記されたことがない。これも、顕微鏡で見ないと確定できることではないという。博士はカリフォルニア大学デイヴィス校からこのラッコの組織のスライドが送られてくるのを待っている。

「どのように死んでいったか、なぜ死んだか。またそれがより大きな視点で見るとどのような意味があるか。そしてどのように生きていったか。このプロセスは非常に大変なので、このラッコによりそうしたことが分かればいいと思っています」と博士は述べた。