【記事】リチャードソン湾のラッコの死、寄生虫と生体毒素が原因か | Richardson Bay Sea Otter Likely Died From Parasite, Biotoxin

 本日は2015年9月2日付けのBay Natureより、"Richardson Bay Sea Otter Likely Died From Parasite, Biotoxin"をお届けいたします。7月17日の記事でご紹介した、サンフランシスコ湾付近で発見されたラッコの死。研究により、その原因が明らかになってきました。

ミルバレーのピックルウィードそばにいたラッコ (Photo by youtube user NorthwesternPacificHistoryIsCool)
ミルバレーのピックルウィードそばにいたラッコ (Photo by youtube user NorthwesternPacificHistoryIsCool)

今年6月末から7月はじめにかけての数週間、リチャードソン湾で過ごしていた若いオスのラッコは、ドーモイ酸とオポッサム由来の寄生虫サルコシスティス・ニューロナのダブルパンチで死んだ可能性があるとカリフォルニア州魚類野生生物局の病理学者メリッサ・ミラーが月曜に発表した。


ミラー博士によると、ドーモイ酸はそのラッコの尿に現れており、その明らかな中毒の兆候が脳の海馬付近に大量出血としてみられた。その炎症はまだ急激な段階であったため、その中毒はごく最近、恐らくは薗ラッコがサンフランシスコ湾に来てから発症したものと思われる。ミラー博士はラッコの脳の寄生虫の位置を特定することができなかったため、生態標本を研究所に送り、2、3ヶ月中にに寄生虫を分離させることになっている。しかし、博士は心臓と骨格系に寄生虫の証拠を発見し、脳の炎症のパターンはサルコシスティスの典型的なものだったたと述べている。「私の博士号の研究はこれについてでした。もし間違っていたら針千本飲みますよ」


今年の夏、記録的な海水温上昇により西海岸で大規模な藻類の異常発生が引き起こされた。その結果、水産業の操業が停止に追い込まれ、ドーモイ酸による中毒がアシカの間で広がった。サルコシスティス原虫はオポッサムの糞により拡散し、一度海へ流れ込むとラッコがエサを食べる際に飲み込むことになる。湾はこうした2つの問題に関しては特に問題になりうるのです、とミラー博士は言う。「湾内では潮の満ち引きによる水の入れ替わりが限られているため、一度その中に物質が入り込んでしまうと、湾の外へ流しだすのに時間がかかるのです」とミラー博士は説明する。「従って、湾内はそうした物質が濃縮され、動物たちにとってはよりリスクた高くなる可能性があるのです」

「これは、本当にどのように陸と海が繋がっているかを示しているものです。簡単に忘れてしまいがちですが、沿岸の地域で土の上に捨てるたび、水に何か流すたび、全てが海へ流れ込んでしまうのです」

ドーモイ酸も寄生虫も、どちらも発作を引き起こす可能性がある。この発作はラッコが死ぬ前に見られることが報告されている。オポッサムは広く生息しているがカリフォルニアにはもともといない動物で、この寄生虫の宿主であることが明白だ。サルコシスティス・ニューロナ原虫はまた馬などの陸上の様々な動物に影響を及ぼすが、海洋哺乳類の中で感染するのはラッコだけである。「この寄生虫は非常にラッコによく見られるものです」とミラー博士は言う。「これは、本当にどのように陸と海が繋がっているかを示しているものです。簡単に忘れてしまいがちですが、沿岸の地域で土の上に捨てるたび、水に何か流すたび、全てが海へ流れ込んでしまうのです」


ミラー博士がドーモイ酸の中毒とサルコシスティスの感染の両方の症状を持つラッコの死体を見たのはこれが初めてではない。そこで、ドーモイ酸とサルコシスティスに何か関連性があるのではないかという疑問がわく。2004年の4月、モロ湾付近で40頭近いラッコが集団で死んでいたことがあった。1970年代に記録されるようになって以降、1ヶ月でもっとも多くのラッコが死んだのだった。それらのラッコの90%以上が寄生虫検査の結果が陽性だった。また、そのラッコの多くはドーモイ酸中毒の兆候も見られた。2010年のVeterinary Parasitology誌の論文で、ミラー博士とその共同執筆者たちはこう延べている。「サルコシスティス・ニューロナに感染したラッコは、同時におこった海洋性の生体毒素、ドーモイ酸にさらされて、中毒にかかりやすくなり、死んだラッコたちに見られたように神経症状を悪化させたのではないか」


単に偶然に同時に発生した可能性もある。ミラー博士は1997年からラッコと関わっているが、来年にかけて、500頭のラッコの死亡状況を見るという大規模な研究を計画している。その研究により、寄生虫と生体毒素の間の相互作用二間して何か分かるかもしれない。「私たちは過去に行なったことから学ぼうとしています。それにより、ラッコを助けるためによりよい仕事をする手助けができるのです」とミラー博士は言う。


メリッサ・ミラー博士の研究はカリフォルニアラッコ基金の一部から援助を受けている。カリフォルニアラッコ基金はカリフォルニア州民が州税の申告書に印を付けることで貢献することができる。寄付金はカリフォルニア州沿岸保護プログラムと魚類野生生物局ののラッコ保護プログラムをサポートしている。詳しくはこちらまで:http://www.facebook.com/SeaOtterFundCDFW.

Bay Nature

Richardson Bay Sea Otter Likely Died From Parasite, Biotoxin

by Eric Simons on September 02, 2015