【記事】アマモの庭師、ラッコ | Sea otters—gardeners of the eel grass

 本日は2015年9月24日付のモントレーベイ水族館のブログから、"Sea otters—gardeners of the eel grass"をお届けします。カリフォルニアでは、エルクホーン湿地帯にラッコが住み着き、海とはまた異なる生態系を築いています。

Photo: Ron Eby
Photo: Ron Eby

1970年代、研究者らはラッコがいない所よりラッコがいる方がケルプの森が健全になり、多種多様な生き物が住むことができるようにになることを発見しました。ケルプを食べ尽くすウニを統制することで、ラッコたちはケルプの繁茂を促進し、様々な藻類、魚、無脊椎動物、哺乳類などの多様性の実現を助けてきました。

ラッコが増えれば、ケルプも増えます。ウニが増えれば、ラッコもケルプも数が減ることになります。こうしたドミノ倒しのような影響は、3段階の栄養カスケードと呼ばれます。

ちょっと待って!まだあります

Photo: Ron Eby
Photo: Ron Eby

カリフォルニア大学サンタクルーズ校の研究者たちはモントレー湾に位置する河口地、エルクホーン湿地帯のラッコたちを観察し、信じられないことに気が付きました。この地域にラッコが住み着くようになってから、アマモ(訳者注:上の2つの写真に写っている長細い海草)棚が健全になっていったのです。研究者らはより細かく観察し、ラッコたちがアマモの生態系においてもキーストーン種の役割を果たしていることを知りました。

わたしたちは30年以上にわたりラッコを研究していますが参照:【記事】ラッコの観察~エルクホーン湿地帯の頂点捕食者~ |Sea otter insights: monitoring apex predators in Elkhorn Slough)、ラッコたちは今でも日々私たちに感動を与えてくれます。


例えばラッコを保護するというような簡単な行動が劇的で、驚くべき、良い影響を環境に与えてくれるのです。みなさん、そう、今そこにいるみなさんが、私たちの研究の継続をどうやったら支えることができるか、こちらのラッコプログラムのページをご覧ください。


ここからまた、次の30年のラッコ研究がはじまります。

Monterey Bay Aquarium Blog
Sea otters—gardeners of the eel grass
Sep 24, 2015