【記事】ラッコをつつかないで | Please Don't Poke the Sea Otters

 本日はアメリカ魚類野生生物局のウェブサイトから、"Please Don't Poke the Sea Otters"をお届けします。ここ最近インターネットで話題になっていた、寝ているラッコをつついて起こす動画について、当局が警告を発しています。

Photo by Lilian Carswell, USFWS
Photo by Lilian Carswell, USFWS

最近、寝ているラッコがびっくりする動画が人気になっているのをご存じでしょう。この動画は可愛らしく見えたり、あるいは何の害もないように見えるかもしれませんが、実際のことろ非常に深刻な問題であり、私たち人間が野生生物とどのようにかかわるべきかという点で、悪い見本を示しています。

ラッコにとって休むことがなぜ非常に重要なのでしょうか

クジラやアザラシなどと異なり脂肪層がないため、ラッコは体温を維持するために体毛と非常に高い代謝に頼らねばなりません。成獣のラッコは、必要なエネルギーに見合うものを得るためだけに、毎日体重の20%から30%のエサを獲り食べなければなりません。だから、ラッコにとってエネルギーを節約することは、非常に重要なのです。ラッコが生きていけるかどうかはそれにかかっています。そのため、ラッコは水面に仰向けになって浮かび休んでいるのです。

あなたとラッコ、その両方の安全のために、下記のガイドラインをお守りください

  • ラッコはカリフォルニア州、ワシントン州、アラスカ州沿岸の近海で見られます。これらの地域には、港のような人の往来が激しい場所も含まれています。

  • カリフォルニアラッコは国の絶滅の危機に瀕する種の保存に関する法律で絶滅に瀕している動物に制定されており、また海洋哺乳類保護法で保護されています。海洋哺乳類保護法では、海洋哺乳類に対する嫌がらせ、猟、捕獲、殺害が禁じられています。ラッコに近づき過ぎて、ラッコが行動を変えてしまうようえあればそれは法に抵触しています。

  • ラッコがいると知られている場所では、注意を払ってください。ラッコや他の野生生物と安全な距離を保ってください(ラッコがあなたに気が付いたら、それは近づき過ぎなので後ろに下がらなければなりません)。カヤックに乗る方は、十分な距離(少なくとも約15メートル離れることが推奨されています)を保ち、ラッコにカヤックの先を向けず、艇をラッコに平行に並べ、ゆっくり確実に通り過ぎるようにし、休んでいるラッコを邪魔しないようにしてください。

  • ドックや港ではペットはリーシュで繋ぎ、動物たちが遊んでいるように見えてもペットとその動物たちが交流しないようにしてください。

  • ラッコや他の野生生物に決してエサを与えてはいけません。エサを与えると攻撃的になることがあります。

 例のビデオのラッコは、アラスカのものと言われています。アラスカには世界の90%のラッコが住んでいます。

U.S. Fish and Wildlife Service

Please Don't Poke the Sea Otters

October 7, 2015