【記事】カリフォルニアラッコ、ライフスタイルを変え気候変動に対抗 | Californian sea otters defy climate change by altering their lifestyle

本日は2015年12月17日付けのINTERNATIONAL BUSINESS TIMESより’"Californian sea otters defy climate change by altering their lifestyle "をお届けいたします。

今年、カリフォルニアの海は記録史上最高の温度になりました。1度の変化が大きく生態系に影響してしまう海洋環境。海に住む動物たちはどうなるのでしょうか。

ラッコは環境収容力の限界に達しているため移動し始めている。 Christopher Michel/Flickr
ラッコは環境収容力の限界に達しているため移動し始めている。 Christopher Michel/Flickr

ラッコやザトウクジラ、ネズミイルカなカリフォルニアにおける環境変化に適応している、と研究者らが述べた。海洋動物は気候変動に対抗し、生活スタイルを変えているとの発表が海棲哺乳類学会で行なわれた。

 

海洋生態系の専門家らはラッコやシロナガスクジラ、ネズミイルカを含む哺乳類が適応させていると述べた。その知識があれば、将来的に環境がどのようになるかを予測することができるかもしれないという。

 

ザトウクジラが夏と冬の間採餌行動を変えていることをしめした研究書の著者であるアリソン・フレミングは、このように述べた。「クジラは大きな指標になりえますが、それは私たちがクジラが指標であると知っていればの話です。わたしたちはその事実を知っているのですから、その指標が今日の生態系全体に光をさしてくれ、将来どのようになるのかを予測することを助けてくれるでしょう」

 

ラッコは再びカリフォルニア中央部で目撃され始めている。しかしラッコは州中央部において環境容量、つまりある地域で手に入るエサや棲む場所に対する最大の個体数に達しており、その結果、他の地域へ移動することを余儀なくされてきた。

 

再び南部で目撃されるようになり、ラッコはその地域の外来種や増えすぎたウニを食べることで、生態系の再構築を行なっている。

 

「ここで実際に起こっている話は、ラッコにとって私たちが必要であるよりもっと、私たちにとってラッコが必要だということです」とその発見の発表者であるティム・ティンカーは言う。「ラッコはケルプの森や河口域の機能や弾力性において重要な役割を果たしており、ケルプの森や河口域からは人間も幅広く恩恵を受けているのです」

 

専門家らは、またサンフランシスコ湾付近においてネズミイルカの存在を記録してきた。このイルカは第2次世界大戦時に軍艦がネズミイルカを湾から追い出してしまってから60年ぶりに目撃された。再びその場所に生息し始めたということは、生態系の健全性が改善したことや、生息域が改善されていることを示すものだと科学者らは言う。

 

 

こうした動物たちの適応は非常にいいタイミングだと海洋哺乳類の研究者はいう。今後数年、環境がかなり変化することが見込まれているからだ。

 

「2014年カリフォルニア沖は記録的に温かい年でした。ことしは非常に大規模なエル・ニーニョに並んでいます」とアメリカ海洋大気局水産庁のジェイ・バーロウは言う。バーロウは海を流動的に移動することができるクジラ類(クジラやイルカを含む)よりも、き脚類(アシカやセイウチなどを含む)を心配している。き脚類はある種の環境に縛り付けられており、その環境が地球温暖化により変化するかもしれないからだ。

 

25年の歴史で初めてカリフォルニアで行われたこの会議には、約2,000名の海洋学者が参加した。

INTERNATIONAL BUSINESS TIMES

Californian sea otters defy climate change by altering their lifestyle

By Matt Atherton December 17, 2015 13:55 GMT