【記事】ラッコ719号、シェッド水族館へ | Finding a home for Pup 719!

本日は2016年2月16日付けのモントレーベイ水族館のブログから、"Finding a home for Pup 719! "をお届けします。先月、嵐の中親とはぐれてしまい保護されたラッコ719号が、ルナ(618号)に続き、シェッド水族館で余生を過ごすことになることが発表されました。

先月、当館のラッコ保護プログラムが保護したラッコ719号を覚えていますよね。719号が、シカゴのシェッド水族館を家とすることが決まったことを発表できて嬉しく思います。ラッコが保護されてからシェッド水族館の一員になるまでの719号の旅の裏側をご覧ください。

 

1月6日、嵐の中、カーメルビーチで生後4週間のラッコの子どもが身動きができなくなっていました。一人ぼっちで波に弄ばれ、鳴いていると通報があったのです。当館のラッコ保護プログラムのスタッフが対応し、震えているそのラッコを保護し、まずは母親を探そうと試みました。

 

しかし、その付近を懸命に探してはみたものの、残念ながら母親ラッコを見つけることができなかったため、私たちはその母親とはぐれてしまったラッコを水族館へ連れ帰りケアをすることにしました。そのラッコは1984年以来719番目に保護されたということで719号と呼ばれることになり、健康を取り戻すべくスタッフやボランティアらによるほぼ24時間体制のケアを受けました。

Tender loving care—and more care

モントレーベイ水族館は座礁したカリフォルニアラッコを保護しケアを行うことに焦点をあてた世界で唯一のプログラムを有しています。私たちは赤ちゃんラッコを育てて野生に帰し、また野生に帰すことができないラッコは資格を持つアメリカの水族館や動物園に長期的な住まいを見つける努力しています。

 

赤ちゃんラッコを育て野生に帰すのは、集中的で長期的なプロジェクトになります。赤ちゃんラッコは初期の発達段階の指導をラッコ保護プログラムのスタッフから受け、その後、当館の5頭のメスのラッコのいずれかから数か月にわたり野生におけるサバイバル術を学ばなければなりません。実に多くの人々(とラッコ)が関わっているのです!

719号が座礁していた時、当館の代理母のうち都合がつくラッコはすでに他の保護された赤ちゃんラッコとペアを組んでしまっていました。従って、次の選択肢として、アメリカ動物園水族館協会に承認を得ている施設の中でそのラッコの家となる施設を探すことになりました。幸運なことに、シェッド水族館にいる私たちの友だちであり親しい仲間が、水族館のラッコ展示に受け入れる余裕がありました。

 

その嬉しい知らせを聞き、私たちはこのラッコのシカゴへの大がかりな引越しの準備を始めました。当館のラッコ保護プログラムのスタッフは、泳いだりグルーミングをしたり、哺乳瓶による給餌や人工ミルクから固形のエサへの変更の間、719号に人間と対面するケアに慣れさせました。

 

そうした日々の愛情たっぷりのケア(とアシカから分けてもらった貝)により、元気な若者ラッコはすくすくと強く育っていきました。赤ちゃんの毛は生え変わり、ラッコとしての技術も日々上達していきました。

ラッコ保護プログラムのカール・メイヤーのチームはこの719号のために途方もない時間を費やしましたが、彼はこう伝えています。「719号はとてもたくましくて元気いっぱいの子どもです。特に生まれて間もなく座礁していた子どもたちに比べたら、発達的には標準よりも少し進んでいます。これは生後4週間で健康な状態で保護されたことが影響しています。719号は水槽の底まで一気に潜れるようになり、エサや石や貝がらを取ることができるようになっています。また手先もとても器用です」

719号のケアを行って約2週間後、1月21日に当館のスタッフは私たちのチームと一緒に仕事をしもうそれほど小さくなくなった子どものラッコと対面してもらうため、シェッド水族館の動物トレーナー、マイケル・プラットを迎えました。

 

1週間にわたる緊密な協働作業の後、私たちは719号とマイケル、そしてシェッド水族館の獣医師カリン・ポール博士に別れを告げました。719号は彼らに付き添われ、新しい家へ向かいました。

本当にラッキーなラッコ

719号に住まいを提供してくれたシェッド水族館に対し、私たちは本当に感謝しています。今年のようにエル・ニーニョの年は嵐のせいで通常よりも多くのラッコが座礁し、その結果、カリフォルニア州沿岸で座礁したラッコのケアを管理したり、新しい住まいを見つけることがより困難になります。子どものラッコを野生の母ラッコに引き合わせることができるのは非常にまれです。代理母ラッコの都合が付けば、野生に帰すため育ててもらいます。野生に帰すために育てることができない場合は、他の施設で受け入れ先を探しますが、それも難しい場合は最後の選択肢として、人道的に安楽死させることを選ばなければならないこともあります。

 

カリフォルニアラッコは、その生息地である沿岸海域の形成と再生に重要な役割を果たしています。そしてまた、絶滅に瀕する種でもあります。モントレーベイ水族館のラッコ保護プログラムは1984年以来、ラッコへの脅威を理解し、その復活を促進する目的を掲げ、絶滅に瀕するカリフォルニアラッコの研究を続けています。

ラッコニュース

当館でケアしている別のラッコは、次の冒険に備えて準備を整えつつあります。野生に帰るのです!モントレーベイ水族館で育てられている保護されたラッコの1頭である696号の野生へのリリースのニュースについては、引き続き報告をお待ちください。

 

今は、ラッコ719号が新しい家で素晴らしい人生を送れることを祈っています。719号の旅の続きはこちら、シェッド水族館(訳者注:【記事】ラッコ719号がシェッド水族館へ到着 | Our Newest Arrival, Pup 719へリンク)でご覧ください。

Monterey Bay Aquarium
Finding a home for Pup 719!
 Feb 16th, 2016