【記事】なぜラッコが重要なのか | Why are sea otters so important?

本日は2016年3月2日付のNOAA's Office of National Marine Sanctuaries(米国海洋大気庁国立海洋保護区局)のブログから、"Why are sea otters so important? "をお届けします。

北米ではなぜラッコの研究や保護が盛んなのでしょうか。可愛らしいのはもちろんですが、ラッコが沿岸生態系に与える好影響が大きいというのも理由の一つです。

当初は絶滅寸前だという理由で保護が行われてきましたが、今はそれにまた一つ「ラッコによる生態系の再構築」が理由に加わっています。

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ラッコはキーストーン種として知られている。キーストーン種とは、その採餌行動や食行動が生態系の健全性に大きな影響をもつ種である。

オリンピックコースト国立海洋保護区(ワシントン州)では、ラッコたちが時折ケルプの森で過ごしている。その森で、ウニなどの無脊椎動物を食べるのだ。ラッコがいなければウニの数が制御できなくなってしまう。ウニはケルプを食べてしまうため、ケルプの森の生態系に問題を引き起こすのだ。

ワシントン州沿岸沖にいたラッコは、1900年代初頭までに乱獲され地域的に絶滅してしまった。しかし、1969年と1970年、数十頭のラッコが再導入された。
それ以降、ワシントン州の沿岸に住むラッコの数は増え、約1,600頭になった。

オリンピック国立海洋保護区と海洋大気庁漁業局の北西部漁業科学センターの研究者らは、現在この可愛らしい動物の復活が沿岸生態系のどのような影響を及ぼしているのか評価を行っている。

この研究については、動画をご覧いただきたい。

《動画ナレーションの書き起こし》
ラッコはキーストーン種、あるいはキーストーン捕食者で、ラッコの採餌行動や摂食行動によりエサとなる無脊椎動物の共同体構造を変えるということが多く記録されています。ワシントン州の沿岸においては、ラッコの個体群は乱獲され絶滅してしまいました。地域的な絶滅状態とも言われます。1970年ごろ、数十頭のラッコがアラスカからここワシントン州の沿岸に再導入されました。その個体群はこの45年の間に数十頭から現在1,200頭余りまで増加しています。

私たちは海洋漁業局とここに来ています。2つのダイバーのグループがあり、1999年に行われたトランセクト調査(野外の調査地に線を引き、その線の上、あるいは線から一定の範囲の生物について調査する手法)をモニターするため、大型無脊椎動物や大型藻類の調査に出ています。この調査プログラムの目的の一つは、この海における長期的な健全性をモニターすることです。私たちは、ラッコはカリスマ性のある動物であるとともに、また生態系の健全性の指標種でもあると考えています。これらは、まだ沿岸にラッコがかなり少なかった時に行われたトランセクトです。現在は、最後の調査が行われてからラッコの個体数は約3倍になりました。ですから、それ以降、ここの生物界がどのような変化をしたか見るのは、非常に興味深いことです。

NOAA's Office of National Marine Sanctuaries

Why are sea otters so important?

Mar 2nd, 2016