【記事】ラッコのミュージカル | Sea Otters: A Keystone Musical

少し間があいてしまいましたが、2015年12月9日付のOregon Wild Blogの3回シリーズの3回目、 "Sea Otters: A Keystone Musical"をお届けします。
ラッコが姿を消したオレゴン。どうやったらラッコに戻ってきてもらえるでしょうか。

これまでラッコの日常生活(【記事】お帰り、ラッコたち! | Welcome Back, Otter)、そして前回はラッコが絶滅寸前になった(【記事】ラッコが見た変化 | The Sea Otters See Change)という話をしてきた。しかし、ラッコはまた沿岸生態系において非常に重要なのだ。その理由をご紹介する。

この辺りにいいラッコに住んでもらうにはどうしたらいいだろう?

 

私は間もなく自分がプロデュースするディズニー映画の名前について話し合っている。その映画には、6頭ものしゃべるラッコが登場する。そのうち3頭は楽器を演奏する。1頭は満月で恋人がそばにいる時プリンセスになる。ヒット曲は「グリー」のキャストにお願いしよう。私の記憶ではリー・ミシェルはとても甲高い声だったと思う。

ウニを食べるラッコ Photo courtesy NOAA
ウニを食べるラッコ Photo courtesy NOAA

何が言いたいのかというと、ラッコは、キャーと言って抱きしめたくなるような可愛らしさがあって愛されているが、人々がラッコについて知っているのはそれだけのように思える。可愛らしいという要素はオレゴンの沿岸にラッコを再導入することになった唯一の道ではない。なぜなら、ラッコは環境にとって実際重要だからだ。事実、キーストーン種のレベルで重要なのだ。

 

ラッコはオレゴンの沿岸として私たちが知っている生態系ワンダーランドを変えてしまうことができる。私が言っているのは、地を揺るがすような良い変化、例えばドナルド・トランプが大統領になるのとは正反対のものだ。ラッコは太平洋北西部においてはキーストーン種だ。ラッコがプラスチックのコップで安いビールを飲んだくれているという意味ではない。むしろ、ラッコが環境において果たす役割が、同じ環境にいる他の種に比べてはるかに生態系に大きな影響を与えているということなのだ。ラッコは、感謝祭の日にカクテルを飲むあなたのおばあさんのような、優しく沿岸海域の海の中で揺れるケルプの森の孤独なレンジャーなのだ。ラッコはケルプの森を食べ尽くし、他の多くの海洋動物の棲家を無くしてしまう海の動物を狩る。

 

この大食いの動物とはウニで、この場合、私たちはもう余計なウニは必要がない。この憎きウニはガン、カニ、巻貝、ケルプや他の海洋哺乳類に食べ物や避難場所を残さないからだ。こうしたケルプの森は大気中の二酸化炭素を大量に飲み込む重要な存在だ。ケルプの森が枯れてしまえば、世界はほんのちょっと暑くなるだろう。(もし暑いのが好きなら、今すぐフロリダに行って住んだほうがいい)

 

心配ない!はらぺこラッコがすぐそばまで来ている。

ラッコがいなくなるとウニはケルプを食べ尽くし、「ウニ砂漠」に変えてしまう。Photo courtesy National Park Service
ラッコがいなくなるとウニはケルプを食べ尽くし、「ウニ砂漠」に変えてしまう。Photo courtesy National Park Service

もしラッコがオレゴンに生息していれば、そう言えたかもしれない。最期のオレゴンのラッコは1906年に殺されてしまったため、南カリフォルニアのように永遠にケルプの森が危機に瀕する可能性に直面することになってしまった。エスコンディドの事例を見てみよう。1960年代以降、エスコンディドビーチ(ロサンゼルス郡)沖のケルプの森は、「ウニ砂漠」として知られる荒地に変わり果ててしまった。ウニ砂漠ではほとんど植物が育たず、無脊椎動物が群がっている。その中でも、ウニたちは、もし話すことができたら、自分たちが支配者だと言うだろう。マッド・マックスを思い浮かべて惜しい。もう少し水が多くて、メル・ギブソンがいないけれど。

 

私たちも、この沿岸に健全なケルプの森があったらいいという点で意見は一致しているだろう。このための最初のステップは、ラッコの再導入だ。そのための最初のステップは?野生生物の回復計画だ。

 

そりゃ何だ?げっ、質問ばっかりだな・・・ワシントン州の例を見てほしい。この回復計画はラッコの再導入が実現するための基本なのだ。この計画がなくては、何も起こらない。

 

回復計画を始めるための方法は、キックスターターで資金を集めることだ。というのは冗談。実際にできることは、オレゴン州の魚類野生生物局にその計画があなた方にとってどれほど大切かを知ってもらうことだ。だから、手紙を1通、もしくは2通ーあるいは3通ほど書いてほしい。私たちがラッコを見て楽しむことができるように、そしてラッコたちが生態系を守ってくれるように、この計画をスタートさよう。ウニの胃袋が全てを台無しにしてしまう前に。他に理由が必要?いいだろう。再導入が成功するまで、ラッコミュージカルはお預けだからだ。

Oregon WildBlog

Sea Otters: A Keystone Musical

Dec 09, 2015 By Seth Heller