【記事】ようこそ、2頭のアラスカラッコたち | WELCOME TWO RESCUED ALASKAN SEA OTTER PUPS

本日は2016年11月2日付けのVancouver Aquarium Blogから、"WELCOME TWO RESCUED ALASKAN SEA OTTER PUPS"をお届けします。
バンクーバー水族館がアメリカからラッコを引き受けるのはリアルトを含め今年3頭になります。
ラッコの展示水槽も2つになったからだと思いますが、本当にありがたいです。

昨晩、バンクーバー水族館のラッコの仲間が2頭増えました。当館の海洋哺乳類ケアチームはアラスカから保護された2頭のラッコの子どもを迎えました。2頭は間もなく、エルフィン、カトマイ、タヌ、そしてリアルトと会うことになります。

 

アラスカ州スワードのアラスカシーライフセンターで数か月にわたるリハビリを受け、2頭のラッコの子どもたちは長期ケアを受けるため、バンクーバー水族館海洋科学センターへやってきました。オスのラッコは現在約9か月で、アラスカ州カチェマック湾で一般人が発見し2016年2月11日に保護されました。メスのラッコはおよそ生後8か月で、アラスカ州ホーマーのホーマー湾の浜で座礁しているのを米国沿岸警備隊が発見し、2016年3月31日に保護されました。

2頭のラッコの子どもたちがロンドン・エア・サービスの機体でバンクーバーへ到着 Photo:Vancouver Aquarium
2頭のラッコの子どもたちがロンドン・エア・サービスの機体でバンクーバーへ到着 Photo:Vancouver Aquarium

オスのラッコは発見時生後約1週間とみられました。メスのラッコは生後23日であるとみられました。2頭はアラスカシーライフセンターI.Sea.U(=ICU:集中治療室)に入れられ、24時間体制でケアを受けました。オスのラッコはすぐ固形のエサへの移行と体毛のメンテナンスが必要でした。メスのラッコは到着時脱水症状で、抗生物質が必要なため、2週間集中治療室で過ごしました。

 

2頭は保護時非常に幼く、生きていくのに必要なスキルを習うために母親からのケアを十分に受けていなかったため、アメリカ魚類野生生物局から野生に返すことができないと判定されました。現在必要なケアを受けられるよう、このラッコの子どもたちのために長期的なケアを与えてくれないかとの打診がバンクーバー水族館にありました。2頭は昨晩、バンクーバー水族館の海洋哺乳類キュレーターのブライアン・シーハンと主任獣医師マーティン・ハウリナ博士の監修のもと、ロンドン・エア・サービスの協力で到着し、新しい水槽へ移されました。

ラッコたちは少しづつ新しい住まいに慣れつつある Photo: Vancouver Aquarium
ラッコたちは少しづつ新しい住まいに慣れつつある Photo: Vancouver Aquarium

「母親がいない状態で発見され、自分自身のケアをできないため、このラッコたちは第二の人生を生きるチャンスを得ることができました」とシーハンは言います。私たちは、ラッコたちがバンクーバー水族館へ無事に到着できるよう準備を手伝ってくれたアラスカシーライフセンターのパートナーたちと密接に協働してきました」

ラッコを育てるには非常に多くのケアを必要とし、子どもは毎日体重の25~30%を食べます。当館でその役割が続けられ、海洋哺乳類チームはラッコの子どもたちが新しい住まいに慣れるよう力添えをしています。

他の4頭のラッコたちに徐々に面会する前は、子どもたちは最初一緒に水族館にある2つの水槽のうちの1つに入れられています。

バンクーバー水族館の水槽ではじめて泳ぐ Photo:Vancouver Aquarium
バンクーバー水族館の水槽ではじめて泳ぐ Photo:Vancouver Aquarium

ラッコの子どもたちはまだ名前がないため、バンクーバー水族館は一般に名前の選定への参加を呼びかけています。投票用のページが作成されており、以下の名前から選ばれるようになっています:マク、フリッツ、パクソン、クニク、トゥトゥカ、カルク。投票者は、どの名前がリードしているか定期的にチェックし、毎日投票することができるようになっています。11月17日に一番人気があった2つの名前が発表され、2名がランダムに選ばれ、ラッコの子どもたちに間近に合うことができます。

バンクーバー水族館の来場者は定期的なラッコの解説でこのラッコたちについてよく知り、そのストーリーを聞くことができます。また、ラッコたちが水槽を探検する様子をライブストリーミングで見ることができます。

ラッコの子どもたちへのケアをご支援くださるにはこちらをご覧下さい。
http://support.vanaqua.org/otterpups
訳者注※寄付の仕方はこちら(【寄付】バンクーバー水族館への寄付方法 | Donate to Vancouver Aquarium)に説明があります。

野生のラッコたちは多くの試練に直面しています。ラッコの子どもは最初の6ヶ月間母親に食べ物を大きく依存しているため、母親がいなければ生きていくことができません。環境的な要因やえさが得られるかどうかにより、母親は子どもが自立する前に手放してしまうこともあります。世界のラッコの90%がアラスカ沿岸に生息しており、一時的にシャチによる捕食が増加したため、過去20年以上急激な個体数の減少が起こったため、南西部の個体群は絶滅に瀕する種の保存に関する法律(ESA)により、絶滅危惧種に指定されています。

Vancouver Aquarium Blog

WELCOME TWO RESCUED ALASKAN SEA OTTER PUPS

November 2, 2016