【記事】オスのラッコの赤ちゃんをお世話中 | TINY MALE OTTER PUP PATIENT IN OUR CARE

本日は2017年6月28日付のVancouver Aquarium Aquablogから、"TINY MALE OTTER PUP PATIENT IN OUR CARE"をお届けします。もし座礁しているラッコを見つけても決して自分で助けようとせず、まずは最寄りの保護団体へ連絡してください。

生後2~4週間とみられる小さなオスの #ラッコ の赤ちゃんが現在バンクーバー水族館海洋哺乳類保護センターで24時間体制のケアを受けています。このラッコは日曜日にバンクーバー島の北部の海でひとりで泳いでいるところを見た一般市民が発見しました。健康そうに見えますが、このラッコは母親代わりに保護センターのチームからのケアを日夜必要としています。スタッフとボランティアがシフトを組み、この赤ちゃんにエサを与え、水浴びをさせ、グルーミングをしています。赤ちゃんにはまだ名前はついていません。

 

「ラッコは多くのエネルギーを必要とします。生まれてから母親と約6か月共に過ごし、ミルクをもらったりグルーミングをしてもらったり、エサの取り方を学んだりラッコになる方法を学ばなければなりません。従って、この子はまだすべてを頼っている状態なのです。一人では生きていけないので、私たちがこのラッコに今必要なケアをすべて与えているのです」と海洋哺乳類保護センターのマネージャー、リンジー・アカーストは言っています。センターはポートメトロ・バンクーバーが提供しています。

生後わずか2~4週間と推定されるこの赤ちゃんは保護センターで24時間体制のケアを受けている
生後わずか2~4週間と推定されるこの赤ちゃんは保護センターで24時間体制のケアを受けている

保護センターの報告によると、赤ちゃんラッコが近づき、鳴きながら後を追ってきたためボートに乗った人々がこの赤ちゃんを保護しました。見える範囲には成獣のラッコはいませんでした。ハーディ港に到着するとカナダ水産海洋省の職員がバンクーバー水族館海洋哺乳類センターへの移送を調整しました。善意であったとしても、カナダ水産海洋省とレスキューセンターの職員は、困っている動物がいた場合は、海から連れてくるのではなく、まずは必ず通報するよう訴えています。「ひとたび野生から取り出されてしまうと、母親が生きているのかどうか、また母親と再度合流させることができたのか、赤ちゃんラッコを連れてきたことが果たして最善だったのかどうか、見定めることができなくなってしまうのです」とアカーストは言います。

 

カナダ水産海洋省太平洋地域海洋哺乳類コーディネーターのポール・コトレルは野生生物に触ったり捕まえたりすることは違法なことだと人々に再度呼びかけています。この赤ちゃんの行く末については、カナダ水産海洋省が決定することになっています。

この赤ちゃんのエサやり、水浴び、グルーミングのためスタッフとボランティアがシフトを組んで対応している
この赤ちゃんのエサやり、水浴び、グルーミングのためスタッフとボランティアがシフトを組んで対応している

一度はカナダでは絶滅してしまったものの、ラッコ(Enhydra lutris)はブリティッシュコロンビアに再導入され、成功をおさめ、主にバンクーバー島沖に生息しています。引き続いて個体群が成長し生息域が広がったため、カナダ政府は2009年、COSEWIC(カナダ絶滅の危機に瀕する野生生物の現状に関する委員会)の勧めに従い「絶滅危惧種」(threatened)から「特別懸念種」(special concern)へと変更しました。ラッコの主な死因はエサ不足、捕食者、環境汚染です。カリフォルニア大学サンタクルーズ校、アメリカ地質調査所、モントレーベイ水族館の研究者らが行いエクスペリメンタル・バイオロジー誌に発表された最近の調査では、子育てに費やすエネルギー需要の高さもまた、メスの成獣の死亡率の増加や子どもの遺棄の増加に繋がっている可能性があることが分かりました。

 

バンクーバー水族館海洋哺乳類センターはポート・オブ・バンクーバーの提供で、カナダで唯一の、病気やケガ、親を失った海洋哺乳類の病院です。カナダ水産海洋省の認可のもと、毎年100以上もの動物を保護し、リハビリを行い野生に返しています。2016年は170以上もの動物を助けました。どの患者も、病気やけがを癒し、リハビリを行い、できるだけ早く野生に返すことを目標としています。獣医師チームはゼニガタアザラシ、ラッコ、アシカ、ウミガメ、ゾウアザラシ、クジラ、イルカ、鯨類に対し治療を行っています。

この赤ちゃんは自分の力では生きていけないため、保護センターが目下必要なケアを与えている。
この赤ちゃんは自分の力では生きていけないため、保護センターが目下必要なケアを与えている。

今年の保護シーズンはもうすでに忙しくなりつつあります。保護センターはラッコの赤ちゃんのほか、カリフォルニアアシカ、トド、トドの子ども、29頭のゼニガタアザラシの世話を行っています。万が一海洋哺乳類が座礁しているのを見つけたら、近づかず、ペットなども離しておいてください。バンクーバー水族館海洋哺乳類保護センター 604.258.SEAL (7325)へすぐに電話し、支援を受けてください。

 

バンクーバー水族館は独立運営の認可団体で、救出されリハビリを受けている動物たちへのこうした24時間体制のケアに対し、資金を受けていません。このラッコのケアへ寄付していただける方は、support.ocean.org/rescuedotterをご覧ください。

 

バンクーバー水族館海洋哺乳類保護センターはポートメトロバンクーバーが提供した、病気、もしくは親とはぐれた海洋哺乳類のための医療施設です。保護センターは動けなくなってしまった海洋哺乳類を保護し、元の自然の生息地に帰すためのリハビリを行っています。保護センターへの寄付は、www.vanaqua.org/mmrからお願いいたします。

Vancouver Aquarium Aquablog

TINY MALE OTTER PUP PATIENT IN OUR CARE

June 28, 2017