【記事】オレゴンコースト水族館のジャッジ、逝く | Oregon Coast Aquarium Mourns the Loss of Beloved Sea Otter, Judge

本日は2017年12月8日付のOregon Coast Aquarium Blogから、"Oregon Coast Aquarium Mourns the Loss of Beloved Sea Otter, Judge"をお届けします。親を失って代理母プログラムで育てられるも、7度のリリース失敗を経てオレゴンコースト水族館の一員となったジャッジ。たくさんのものをスタッフや来場者たちに与えてくれたことでしょう。

ニュースリリース 12月8日

 

オレゴンコースト水族館は、最年長のラッコ、ジャッジが亡くなることをお知らせしなければならないという悲しみに包まれている。ジャッジはカリフォルニア州パシフィックグローブで座礁しているのと発見され保護されて以来、多くの人々の心にその存在を留めてきた。まだ子どもだったジャッジはモントレーベイ水族館へ運ばれケアとリハビリを受け、その後まもなくリリースされた。しかし、モントレーベイ水族館のスタッフがジャッジを目にするのはそれが最後にはならなかった。

 

ジャッジはモントレーベイ水族館の代理母プログラムに参加した最初のラッコだった。そのプログラムはモントレーベイ水族館が親を失った赤ちゃんラッコと水族館で飼育されているメスラッコのマッチングを行う。「代理母」たちは座礁していた子どものラッコたちに自分の世話が自分でできるよう教えている。これはラッコと人間の接触を減らし、野生に放流した際の成功率を上げている。

 

そのプログラムを終えると、モントレーベイ水族館のスタッフはジャッジを野生に返した。その後まもなく、ジャッジはモントレー湾でエサを探して人間に接触しているのを目撃されるようになった。その後7回リリースと失敗を繰り返したが、野生生物専門家はこの人間に慣れたラッコを野生に返すことができないと判定した。その後、ラッコの代理母プログラムは数百頭のラッコにとって成功であったことは明らかだが、何度もリリースに失敗したことはジャッジが人間のケアのもとで暮らすほうが安全だということを示していた。そしてオレゴンコースト水族館は2003年12月、ジャッジを水族館の仲間に迎えた。

ジャッジは2013年の水族館の広告キャンペーンの顔になった。
ジャッジは2013年の水族館の広告キャンペーンの顔になった。
アシスタント哺乳類キュレーターのブリタニー・ブレイズが展示水槽でジャッジのトレーニングを行っている
アシスタント哺乳類キュレーターのブリタニー・ブレイズが展示水槽でジャッジのトレーニングを行っている

こうして、来場者とかくれんぼをしたり、ガラスのそばに浮かんで来場者を観察したりという人間との接触が好きなカリスマラッコとしてのジャッジの遺産は長く続くようになった。このように親しみある態度と際立って整えられた毛皮で(ジャッジはきめ細かくグルーミングするラッコだった)、ジャッジは2013年の広告キャンペーンで当水族館の顔となった。

 

何年もの間、ジャッジは水族館の「トップのラッコ」だった。気まぐれで食欲が旺盛なジャッジには、熟練した哺乳類学者(訳者注:アメリカの水族館は大学で生物学などを修めた専門家が飼育やトレーニングを行っています)だけがトレーニングをすることができた。アシスタント哺乳類キュレーターのブリタニー・ブレイズは懐かしそうに思い起こす。「ジャッジは近くにスタッフがいる時もの悲しそうな声を上げることがありました。哺乳類学者たちはみんな、これはジャッジがセレナードを歌ってくれているんだねと言って、ラッコの水槽へ移動させるのに私たちもお返しに歌を歌っていたものです」

 

ジャッジは年齢とともに円熟していき、最後の数年は一緒に仕事をするのがh上に楽なラッコになった。ジャッジは水槽で縄張りを主張するのをやめ、その代わり哺乳類学者たちと関わることに集中するようになったとブレイズは説明する。「新しい哺乳類スタッフにとって、ジャッジは素晴らしい教師となりました。自発的に注射や鼻の検査に協力するようにするというような、飼育に関わる難しい課題をジャッジと行うことができたからです」

 

水族館の新人哺乳類学者の一人、ミーガン・プロスは、ジャッジはいつも心の中で特別な場所を占めていると話す。「2012年、お客として初めてオレゴンコースト水族館へ初めて来た時、ジャッジに会ったのを覚えています。その後ボランティアとして水槽のガラス越しにやり取りしていましたが、ジャッジはいつもお気に入りのラッコでした」とプロスは言う。「ここでフルタイムの哺乳類学者として働き始めた時、一番最初にトレーニングを行ったのがジャッジだったのは適切だったと思います」

一生懸命貝を開けてたべるジャッジ
一生懸命貝を開けてたべるジャッジ

太平洋北西部のラッコたちにとって、ジャッジは大切なラッコ大使だ。ジャッジはオレゴン州で飼育されているラッコの中では最大のグループである、当水族館の4頭のラッコのうちの1頭だった。カリフォルニアラッコはかつて沖にケルプの森が豊だったオレゴン沿岸にも多く生息していた。1900年代に毛皮商人により一掃されてしまってから、ラッコは回復に向かっているが遅く、ケルプの森は縮小してしまった。ラッコはオレゴンの沿岸では絶滅したと考えられており、絶滅に瀕する種の保存に関する法律でリストに上がっている。

 

ジャッジは17歳で、肺炎や関節炎など高齢に伴う病気のため亡くなった。飼育下にあるラッコの寿命は15年ほどだ。オレゴンコースト水族館はジャッジの死を悼み、ジャッジが昼寝したり、ラッコ仲間と遊んだり、貝をたらふく食べたりと、「ラッコが全力ですべきこと」をしていたのを懐かしく思い出している。

 

当館は冬季の間(12月25日を除く)午前10時から午後5時まで営業している。詳しい情報はaquarium.orgもしくは(541)867-3474まで。

 

オレゴンコースト水族館は皆さんとオレゴン沿岸を結び、海洋環境の保全を触発する特別で参加できる体験を作り出している。アメリカ動物園水族館協会にょり認定を受けた施設として、この501(c)3の非営利団体は全米でトップ10の一つにランクしている。

Oregon Coast Aquarium Blog

Oregon Coast Aquarium Mourns the Loss of Beloved Sea Otter, Judge

December 8, 2017