【記事】らっこちゃんねるが選ぶ2017年ラッコニュース | The Best sea otter news of 2017

毎年らっこちゃんねるが選ぶ10大ニュースとしていましたが、順位を決めるのも変だなと思いましたので、順不同ということにしました。

カリフォルニアラッコの個体数指数大幅減少も、昨年に引き続きしきい値を上回る

カリフォルニアラッコは連邦法である「絶滅に瀕する種の保存に関する法律」「海洋哺乳類保護法」及び、カリフォルニア州法により保護されています。「絶滅に瀕する種の保存に関する法律」で定められている絶滅危惧種から外れるためには、個体数の生データの3年平均値が3年連続して3090というしきい値を超えなければなりません。ラッコのカウント自体は非常に困難なためより信頼性を高めるため3年平均値を採用しています。2017年は前年に引き続き、そのしきい値を超えることができました。
生データは900近く減少していますが、そのカウントの困難さを考慮すれば一時的な数値の落ち込みがすぐに危機的状況を表すわけではなく、この傾向が続くかどうかを慎重に見守る必要があります。
ラッコは依然と様々な脅威に直面しており、今後もさらなる保全活動を必要としています。

LHXタグを装着したラッコ、リリースされる

カリフォルニア州サウサリートにある海洋哺乳類センター(The Marine Mammal Center)は今年、ラッコのリハビリテーション用に施設の一部を改装しました。オットーとヤンキー・ドゥードルの2頭がここでリハビリを受け、ふるさとの海へ帰っていきました。2頭はトキソプラズマやドーモイ酸の毒に冒されており、リハビリによって健康状態は取り戻したものの、完治はしていません。リリースの際体内に特殊な追跡装置が埋め込まれており、2頭の死後、リリース後にどのような人生を送ったかが明らかになります。

カリフォルニア州モロ湾のラッコの個体数が過去最高に

モロ湾は、ロサンゼルスとサンフランシスコのちょうど中間ほどにある河口域の港町です。カリフォルニアのラッコの生息地の中でも、モスランディングと並んでラッコの個体密度が高い場所で、地上から比較的近くでラッコを観察できる良い所です。ケルプに包まって休むラッコや、親子のラッコを一日眺めることができます。
モロ湾のラッコが増えたことで、観光客が増加し経済的な恩恵がある一方、観光客によるラッコなどへのハラスメントの増加も危惧されています。

741号、銃で撃たれ死ぬ

2016年、モロ湾で釣り糸に絡まっていたところを海洋哺乳類センターに助けられ、モントレーベイ水族館でリハビリを受けた741号。それから1年、今年9月に銃で撃たれ死んでいたことが分かりました。人間により傷つき、また人間により助けられた741号。そして残念ながら、再び人間により、傷つけられ、命を落とすことになってしまいました。

意図的であるかないかに関わらず、人間の活動は同じ地球で生きる他の生物に大きな影響を与えます。741号の死を無駄にしないためにも、そうしたことを忘れてはなりません。

違法に毛皮を剥がれたラッコが見つかる

ラッコ啓蒙週間中の9月26日、カリフォルニア州サンシミオンでラッコが毛皮を剥がれた状態で死んでいるのが発見されました。ラッコは保護動物であり、北米では猟や毛皮の加工・販売はアラスカラッコのみ、先住民の血を引く一部の者に限って許可されています。一般人による猟や死体の損壊は違法となっています。

根室沖でラッコが繁殖

北海道東岸で野生のラッコが少しづつ定着してきていますが、南クリル諸島周辺のラッコが北海道根室沖を繁殖地にしている可能性があるとの報道がありました。
ラッコは獺虎膃肭臍猟獲取締法(ラッコオットセイ量確取締法)で保護されており、2017年の環境庁レッドリストで引き続き絶滅危惧IA類に分類されています。

一方では、北クリル諸島のラッコが激減しているとの報道もあります。今後の研究と保全活動の活発化を期待したいです。

モスランディングのラッコ、横断歩道を渡る

モスランディングのサウスハーバーには、道路を挟んで反対側に豊かな湿地帯が広がっています。生物を守るため水路に扉が設置され、自由に行き来できなくなってから、サウスハーバーの主だったミスター・エンチラーダは道路を横断するようになりました。昨年道路を横断中に車にひかれて死んだ後、地元の行政や保護団体が協力し、ラッコ用の横断歩道を設置しました。今年になって、らっこちゃんねるとSea Otter Savvy(ラッコのハラスメントの影響に関する調査や啓蒙活動を行っている団体)が、別のメスのラッコがその横断歩道を利用して渡っているところを記録しました。らっこちゃんねるは、いち市民として、ラッコの行動やハラスメントに関する資料や情報をラッコの保全団体等に提供し、ラッコ保護に役立てていただいています。

追悼

ジョージア水族館 グレーシー (19歳)

八景島シーパラダイス ユータン(16歳)

海遊館 パタ (21歳)

オレゴンコースト水族館 ジャッジ(17歳)

アドベンチャーワールド ナダ

未発表