【記事】アラスカシーライフセンター、ラッコとアザラシを保護 | The Alaska SeaLife Center Announces Arrival of Seal and Sea Otter Pups

本日は2018年6月13日付の"Alasla Sealife Center"のニュースリリースより、"The Alaska SeaLife Center Announces Arrival of Seal and Sea Otter Pups"をお届けします。座礁した動物を発見した人の初期対応の違いで、アザラシとラッコの運命は大きく異なってしまいました。座礁した動物を発見した際は必ず最寄の野生生物対応専門家へ連絡してください。

アラスカ州スワード(2018年6月13日)-生後数日のゼニガタアザラシとラッコの赤ちゃんがこのほどアラスカシーライフセンターに受け入れられた。この2頭への対応は、座礁している動物に対する適切な対応について一般人に注意を喚起することが重要であるということを如実に示している。

 

このゼニガタアザラシの赤ちゃんは5月10日にホーマー北部で座礁していたところを発見された。発見された場所では潮が大きく変化した際に母親とはぐれてしまったものとみられていた。野生生物専門家がその赤ちゃんをアラスカシーライフセンターの野生生物対応スタッフのもとへ連れてきた。全身の健康状態のチェックと水分補給をしたのち、このアザラシの赤ちゃんは野生へ返すことが最優先であると判断された。スタッフは、このまま順調に体調が安定すれば、発見された場所へ放流できるだろうと考えている。

 

ラッコの赤ちゃんはプリンスウィリアム湾の真ん中で浮かんでいたところをボートに乗った人たちが発見した。「善きサマリア人」(訳者注:聖書の話で、善意で窮地に陥った人を助けようとする人。誠実に行った場合、結果的に失敗であっても責められることはない)たちは、その赤ちゃんラッコが叫んでおり、そのエリアに他のラッコの姿が見えなかったため心配になった。赤ちゃんラッコが水の中に顔を入れているのに気付き、その人たちは赤ちゃんを拾ってあげなければならないと思ってしまった。6月1日、その赤ちゃんラッコはセンターへ移送された。アラスカシーライフセンターの獣医キャシー・ウッド博士は「赤ちゃんラッコが調合ミルクを飲んでくれて安心しました。ラッコの赤ちゃんは哺乳瓶を加えるまでしばらくかかることもあり、必要な栄養をとらせるためにチューブでエサをやらなければならないこともあります」という。この赤ちゃんラッコは強かったのかもしれないが、獣医らは海水を飲んだことで肺炎になる可能性があるかもしれないためモニターを続けており、今のところその兆候はない。

 

アラスカシーライフセンターは33,904マイル(約54,250km)の海岸線に対応しているため、ストランディングパートナー(訳者注:恐らく座礁ネットワークのこと)や一般市民の協力を得て病気やケガをした海洋哺乳類の判定を行い、医療ケアを施している。しかし、動物が座礁していると考えられる際、訓練を受けていない目撃者はまずその動物に近づこうとする。座礁しているのかあるいは通常の行動の範囲なのかを見極めるのは非常に難しいことがあるため、直ちに行動することで間違いを起こす可能性もある。動物ケア専門家のハリー・ワーナーは言う。「動物の中には、安全だと思う場所に子どもを置いてエサを獲りに行ってすぐに戻ってくるものがいます。もし心配になるような動物がいたら、自分で介入せずまずは1-888-774-SEALに電話をしてください」

海洋哺乳類は1972年以降、海洋哺乳類保護法で保護されているため、政府当局の許可がない場合、動物たちに対する妨害行為は違法となっている。アラスカシーライフセンターのスタッフは、病気やケガをした動物を見つけた場合はまず電話をし、安全な距離から観察し、動物のテリトリーを尊重し、ペットや子供が近づけないよう、強く訴えている。アラスカシーライフセンターでは24時間対応の座礁ホットラインを開設しており、訓練を受けた専門家が動物に対する正しい対応手順を導いてくれる。座礁した動物を発見した際は、1-888-774-SEALに電話をしていただきたい。

 

アラスカシーライフセンターについて:1998年に開館したアラスカシーライフセンターは、私設の非営利調査研究施設と一般に開放している水族館を兼ねている。20年間、アラスカの海洋生態系への理解やスチュワードシップを推進するための科学的知識を生み出し、シェアし続けていることを祝っている。アラスカシーライフセンターは全米動物園水族館協会の認定会員である。詳しくはwww.alaskasealife.orgもしくはFacebookでご覧いただきたい。