【記事】ケルプの森の複雑な関係 | SFU researcher discovers unique relationship between sea stars and kelp forests

本日は2018年7月24日付けのVancouver Sunより、"SFU researcher discovers unique relationship between sea stars and kelp forests"をお届けします。
ケルプーウニーラッコの関係は生態学の基礎とされていますが、実際の生態系はそれほど単純なものではありません。ヒトデはラッコが食べない小型のウニを食べ、ケルプを守っています・

ニチリンヒトデ(Pycnopodia helianthoides)U.S. Fish and Wildlife
ニチリンヒトデ(Pycnopodia helianthoides)U.S. Fish and Wildlife

ブリティッシュコロンビア沿岸のケルプの森は地球上で最も生産性の高い生態系の一つだとバートは言う。ウニはその生態系で最も多い生物の一つなのだという。

 

ウニとケルプ。実際、ウニはケルプが好きすぎて殺してしまう。捕食者がいなければ、ウニはその数を何倍にも増やし、ケルプの森はすっかり砂漠のようになってしまう。

 

これが問題なのは、ケルプの森は陸上の森がそうであるように、非常に多くの生物を支えているからだ。そして陸上の森のようにケルプもまた二酸化炭素を大気中から取り除いている。

 

ラッコは大きなウニの捕食者で、ケルプを食べるウニの数をコントロールしており、それがずっとうまく機能してきている。

 

ブリティッシュコロンビア沖、ベラベラ付近のカルバート島にあるハカイ研究所のフィーストステーションで500時間以上潜り、バートとそのチームが発見したのは、ラッコが小さなウニや中程度のウニの数をコントロールすることについてラッコが非常に重要であるということだった。

 

ヒトデ消耗性疾患の大発生は科学者たちにとっては思いがけない幸運だったが、ヒトデやケルプの森にとってはそうでなかった。この病気の大発生は2015年にニチリンヒトデのおよそ全数、重量で96パーセントに当たる量を一掃してしまった。動物流行性の疫病の結果、小~中サイズのウニの数が311パーセントも増加し、それに応じてケルプの森の密度が30パーセントも減少した。

まるでジョニ・ミッチェルが歌うようだとジェン・バートは言う。最後の最後になるまでその意味は分からない。

 

サイモンフレーザー大学の博士課程の学生がブリティッシュコロンビア沿岸のラッコの影響に関する研究を行っている。活動的なラッコの個体群がいる場所、またラッコが全くいない場所、そしてラッコが定着したばかりの岩礁における海草と魚介類に関する研究だ。

 

「私はもともとヒトデに関する論文を執筆していました」ラッコがいなくなってしまった後、ケルプの森がどれほどのダメージを受けてしまったか推定したバートは言った。

 

その論文は火曜日、王立協会誌会議録Bに掲載された。

 

「以前にも論文を出したことがありますが、この論文が掲載されて非常に嬉しいです」とバートは言う。

 

 

 

ブリティッシュコロンビア沿岸のケルプの森は地球上で最も生産性の高い生態系の一つだとバートは言う。ウニはその生態系で最も多い生物の一つなのだという。

 

ウニとケルプ。実際、ウニはケルプが好きすぎて殺してしまう。捕食者がいなければ、ウニはその数を何倍にも増やし、ケルプの森はすっかり砂漠のようになってしまう。

 

これが問題なのは、ケルプの森は陸上の森がそうであるように、非常に多くの生物を支えているからだ。そして陸上の森のようにケルプもまた二酸化炭素を大気中から取り除いている。

 

ラッコは大きなウニの捕食者で、ケルプを食べるウニの数をコントロールしており、それがずっとうまく機能してきている。

 

ブリティッシュコロンビア沖、ベラベラ付近のカルバート島にあるハカイ研究所のフィーストステーションで500時間以上潜り、バートとそのチームが発見したのは、ラッコが小さなウニや中程度のウニの数をコントロールすることについてラッコが非常に重要であるということだった。

 

ヒトデ消耗性疾患の大発生は科学者たちにとっては思いがけない幸運だったが、ヒトデやケルプの森にとってはそうでなかった。この病気の大発生は2015年にニチリンヒトデのおよそ全数、重量で96パーセントに当たる量を一掃してしまった。動物流行性の疫病の結果、小~中サイズのウニの数が311パーセントも増加し、それに応じてケルプの森の密度が30パーセントも減少した。

ヒトデはラッコが食べない小さなウニを捕食するということが分かった。ラッコは見つけるのが簡単で、大きくジューシーで高カロリーのウニを好むからだ。

 

「ウニとラッコ、ケルプの関係は、教科書に載っている例以上のものなのです」とバートは言う。「そこにはもっと複雑な関係性がある。ニチリンヒトデは重要な役割を果たしているのです」

 

「私たちはヒトデを掃除やさんと呼んでいます。ラッコが食べない小さなウニを食べることで、ニチリンヒトデはケルプを豊かにするという

良い間接的な影響を与えているのです。これは全体的に沿岸のケルプの森の耐性を高めているのです。

 

ニチリンヒトデが捕食者であるということはすでに知られているとバートは言う。しかし、ケルプの森のダイナミクスにおけるそのカギとなる役割はヒトデの個体数が激減するまで評価されることがなかった。

 

ケルプの森には非常に多くの生物が生息しているため、そうした生物が気候変動や環境汚染、水産業や海上交通などにより変化を強いられている状況にどのように対応していくかを理解することは非常に重要だ、とバートは言う。そしてこのヒトデの消耗性疾患のような「生態系を驚かすこと」が大発生する。

 

「これは、生態系をモニターすることの価値を示しています。この消耗性疾患は沿岸の海洋温暖化と関連性があり、このような熱波や病気などはこれからもおこります。ベースラインを持つことが重要になります」

 

「重要なベースラインを得ることができ、研究者や政府、産業界、そして沿岸コミュニティが海洋システムがより予測できなくなりつつある世界にどのように対応し変わっているのかを知る手助けになる長期的なモニタリングプログラムが私たちには必要です」