【記事】"スラムダンク"ラッコ、エディにさよなら | Zoo says goodbye to Eddie, the slam-dunking sea otter

本日は2018年12月20日付のOregon Zoo Newsより、"Zoo says goodbye to Eddie, the slam-dunking sea otter"をお届けします。華麗なダンクシュートを決める動画でインターネット上を席巻したオレゴン動物園のエディが今朝、安楽死により亡くなりました。20歳でした。

20歳のエディは、世界でも最高齢のラッコの1頭

老後はそのシュート技術で世界に名をとどろかせましたが、オレゴン動物園のスラムダンクラッコ、エディはついに年齢に負けてしまいました。エディは高齢に伴う健康状態の悪化により、今朝、安楽死となりました。21歳近い年齢は、世界でも最高齢ーしかも最も才能あるーラッコでした。

<<動画の書き起こし>>

エディは1998年、カリフォルニア州カンブリアで親とはぐれていたところを保護されました。

野生で生きていくことができないため、エディは2000年、オレゴン動物園へやってきました。

エディは21歳近くまで生きていましたが、これは世界でも最高齢のラッコの1頭でした。

生きている間、エディはずっと活動的で、若いラッコの教育係として助けてくれました。

高齢になり、エディは特別な世話をたくさん受け、それを楽しんでいました。

エディは関節炎の治療の一環でバスケットボールをダンクシュートするラッコとして有名になりました。

エディはケアスタッフと仲良く、スタッフらはエディが老後を過ごしやすくなるよう、お世話をしました。

その生涯を通じ、エディは数えきれないほどの来場者に、ラッコの重要な役割について教え、海洋環境の保全について意識を高めてくれました。

エディの元気で遊び好きな性格は、ずっと忘れられることがないでしょう。

エディ 1998-2018

「オスのラッコが15年以上生きることはめったにないので、エディはオスのラッコの中では最高齢の部類です」と当園の海洋生物担当のエイミー・カティングは言う。「若い頃は元気でしたが、高齢になってもその片鱗を見ることができました。若い2頭のラッコ、ジュノとリンカーンと非常にうまくやっており、彼らとじゃれたり遊んだりするのを見ることができました。エディは3頭の中では高齢の立派なラッコで、若い2頭はエディが休みたいときにはちゃんとそっとしておいてあげていました」

 

1998年、カリフォルニア州で親を失い、野生で自力で生きていくことができなかったため、エディはモントレーベイ水族館のラッコ保護プログラムでリハビリを受けました。しかし、最終的に米国魚類野生生物庁から野生に返すことができないと判定され、2000年にオレゴン動物園へやってきました。

 

2012年、エディはオレゴン動物園の高齢動物に関する記事の中に取り上げられました。この記事は、人生の終わりに近づいている動物たちに対する飼育員や獣医師らの取り組みに関するものでした。しかし、エディはここから始まったばかりでした。

 

その年、肘の関節炎の治療として飼育員はおもちゃのバスケットボールをダンクシュートする訓練を行いました。バックヤードでエディがいつも行っている訓練を紹介した動画は2013年に話題になり、当園のYouTUbeチャンネルでは170万回以上も再生され、エディはインターネットで最も有名な動物の中の1頭になりました。

<<動画の書き起こし>>

私はジェニー・デグルート、オレゴン動物園の海洋生物飼育員で、ラッコエリアのリーダーです。私たちはラッコ展示水槽のバックヤードにいます。実はエディは今年16歳になります。エディはカリフォルニアで保護されたラッコで、カリフォルニアラッコです。自力で生きていくことができなかったので、サザン・コーブができた時に当園へ来ました。それ以来、ずっとここにいます。

ラッコの寿命は15年から20年ほどのなので、エディは間違いなく老年期に当たります。エディは昨年レントゲンを撮る訓練を受け、その際に獣医スタッフから肘に関節炎があると診断されました。そこで獣医師から、関節炎の痛みを少し軽減し、関節をずっと動かすことができるよう、何かすることを薦めてくれました。肘の関節を使うクリエイティブな訓練方法を編み出さなければなりませんでした。そこで、バスケットボールを訓練することになったのです。

エディは実際、すぐに学びました。確か、エディを訓練した最初の週にはバスケットができるようになっていました。エディはほとんど失敗しませんが、失敗してもできるまでやり直します。一般の方がエディのこの訓練をラッコ展示水槽で見ることはできません。バックヤードの水槽で行っている訓練だからです。重要なのは、こうした行動は、健康のためというより大きな目的があるということです。私たちが動物たちに行っている訓練というのは、まずは何よりも健康状態を見たり、動物たちの体にとってためになる運動を行うことなのです。

今年、20歳の誕生日を迎えたエディにポートランド・トレイル・ブレイザーズ(注:地元のNBAチーム)のマスコット、ブレイズがエディの飼育員にエンリッチメントのおもちゃがたくさんはいった籠をもってきてくれました。そして、ステラ―・コーブ(ラッコがいるコーナー名)と水中トンネルで繋がっている、バックヤードのトレーニングエリアである小さな水槽のバスケットゴールのバックボードに新しいブレイザーズのロゴを付けてくれました。

 

ラッコは、絶滅危惧種のリストで絶滅の恐れがある種として掲載されていますが、かつてはオレゴン沿岸を含む、日本からバハ・カリフォルニアにかけての太平洋沿岸に生息していました。毛皮を珍重され、1800年代から1900年代にかけて絶滅寸前まで乱獲されてしまいました。現在、保全活動として1907年以降、ラッコが定着していないオレゴン沿岸にラッコを再導入する可能性が検討されています。

 

キーストーン種であるラッコは、太平洋沿岸の海洋生態系において、重要な役割を果たしています。健全なケルプの森を育て、それにより数千もの生物を養い、大気中の二酸化炭素を吸収されるのです。

Oregon Zoo News

Zoo says goodbye to Eddie, the slam-dunking sea otter

December 20, 2018