【記事】瀕死だったリアルト、成獣の体重に近づく | Rialto grows up : Once near death, rescued sea otter now approaching adult weight

本日は2019年4月25日付のSeattle Times紙より、"Rialto grows up: Once near death, rescued sea otter now approaching adult weight"をお届けします。

ブリティッシュコロンビア州バンクーバー—リアルトはラッキーなラッコだ。

 

2016年8月にオリンピック国立公園で瀕死の状態で見つかった時、リアルトはボロ雑巾のようにくちゃくちゃになり、衰弱してすべもなく波にもまれ、独りぼっちで座礁していた。

 

リアルトはシアトル水族館で不眠不休のケアを受け、健康を取り戻した。2016年9月にバンクーバー水族館へ移り住み、間もなく2頭の他の保護ラッコたちに加わった。

 

ラッコたちは楽しい時間を過ごした。

 

最近訪れた際、3頭はバンクーバー水族館で特別に彼らのために作られた野外の水槽で、離れることができないかのように、一つの茶色の毛皮の塊のようになってくるくると回り、遊んでいた。リアルトの飼育員たちはラッコたちに継続して遊びのプログラムを続けている。リアルトは水に浮かぶ白い箱にすら非常に興味を持ち、その箱の中に入ったり出たり抱えたりしていた。

 

リアルトは食欲旺盛だ。他のラッコ同様、毎日体重の4分の1を食べて高い代謝を維持する。毛皮と共に、高い代謝によって冷たい海で体温を維持するのだ。リアルトが食べるレストラン級の品質の二枚貝、イカ、魚などの魚介類を与えるだけで、年に35,000カナダドルの費用がかかる。

リアルトは非常に社交的で、健康状態もよいと海洋哺乳類トレーナーのニッキー・ガーザは言う。「リアルトは窓に興味を惹かれるようです。私たちが窓の所へ来ると、まず反応してやってきては遊ぶのはリアルトです」とガーザは言う。

 

 

リアルトは現在3頭のラッコの中では2番目に大きく、69パウンドまで成長した。生後数週間の時にシアトル水族館へ来た時とは大違いだ。リアルトはやせ細って健康状態が悪く、ランチョンマットに収まるほど小さかった。

 

リアルトは現在、小さいラブラドール・レトリバーほどの大きさなった。そして、やんちゃで明るい。

 

毛皮目的で乱獲されたため、ワシントン州で最後にラッコが殺されたとして知られているのはウィラパ湾で1911年のことだった。アラスカの個体群からワシントンの外海沿岸にラッコが再導入され、それらがリアルトを含む現在の全てのワシントンのラッコの先祖だ。

 

ラッコは外海沿岸の生態系を完全にしている。ラッコはウニを好んで食べるが、ウニを食べ続けることでその個体数を制御している。沿岸の海底で活動する食欲旺盛なラッコが継続的に圧力をかけなければ、ウニは激増しケルプの森を食べつくし、海底を砂だらけの砂漠のような状態に変えてしまう。

 

ラッコの個体数が回復するにつれ、ケルプの森も回復し、幼魚が成長する生息地となり、また沿岸を崩落させる強い波の緩衝地帯ともなっている。またラッコが生息している沿岸は、ラフトと呼ばれる群れになって戯れており、その存在によりより活性化している。

 

発見された海岸の名前にちなんで名づけられたリアルトは、幼すぎたため野生に返ることができなかった。

 

バンクーバー水族館へ移って以来、リアルトは飼育上助になるスキルを数多く教えられてきた。人が体に触れることを許容することに加え、手を差し出したりワクチンを接種するためにじっとしていることもできる。

 

リアルトはまたバク転が得意で、特に氷が好きなようだ。まだ赤ちゃんでシアトル水族館にいた時に氷を詰めた袋を枕にして寝ていた。バンクーバー水族館では、リアルトの好きな娯楽は氷の入ったたらいに座ったり氷をほじくって氷をかちゃかちゃ言わせたり弾き飛ばしたりすることだった。

「リアルトは本当に元気にやっています。体重も増えていて、行動を学び、ラッコらしくなっています」とバンクーバー水族館のもう一人の海洋哺乳類トレーナーであるクリスティン・プランカートは言う。

 

イタチと同じ仲間である3頭の若いラッコたちは、頭がよくいたずら好きだとプランカートは言う。ラッコたちはおもちゃを隠したり、鍵をいじったり、また素早く反応する賢さがある。

 

「人々は一般的にラッコとつながります。ラッコは非常にカリスマ的で、みなラッコが大好きです」とプランカートは言う。しかしリアルトは自分のフォロワーがいる。シアトルからリアルトに会うためだけに訪ねてくる人もいる。「リアルトはシアトルの人々と特別なつながりがあるのです」

座礁動物を見かけたら

訓練を受けていない人がラッコを救助をしようとした場合、多くはラッコが死んでしまったり傷ついてしまったりすることになり、また助けようとした人のけがにつながることもある。発見者にとってもラッコにとっても、訓練を受けた野生生物の専門家に助けを求めたほうが良い。ラッコや他の海洋哺乳類は法で保護されており、野生生物を扱う当局の許可なくそれらの動物に触ることは違法である。

 

座礁している動物は生きているものも死んでいるものも以下の番号へ通報していただきたい。

 

ラッコ

Washington: 1-877-326-8837 (1-87-SEA-OTTER)

Oregon: 1-800-452-7888 or 1-541-270-6830

Alaska: 1-888-774-7325 California: 1-805-927-3893

 
クジラ類、アザラシ、アシカ

Washington and Oregon: 1-866-767-6114

Washington Department of Fish and Wildlife

らっこちゃんねるより

リアルトの物語が本になっています。実際に救助されたときの様子や、水族館のスタッフがお世話しているところなど、実際に撮影された写真が豊富に使われています。Amazon.comで購入可能です。

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コメント: 1
  • #1

    らっこあら (月曜日, 13 5月 2019 09:06)

    リアルト元気に成長して本当によかったです。
    日本の水族館でもリアルトのように保護されたラッコを飼育して、来館者への啓蒙ができるとよいのですが。