【記事】グスタフでオオカミがラッコを捕食 | Wolves are eating sea otters near Gustavus. What does that mean for the deer?

本日は2018年4月27日付のKTOO Public Mediaから"Wolves are eating sea otters near Gustavus. What does that mean for the deer?"をお届けします。同じアラスカのカトマイ国立公園カナダのバンクーバー島でもオオカミによるラッコの捕食がみられています。

ラッコは貝やムラサキガイ、ウニ、カニなどを食べる (U.S. Fish & Wildlife photo)
ラッコは貝やムラサキガイ、ウニ、カニなどを食べる (U.S. Fish & Wildlife photo)

アラスカ南東部で明らかにあまり好かれていない2つの動物の間にある驚くべき繋がりを生物学者らが調べている。アラスカ州グスタフの地元の人々は、オオカミが本土付近の島にある場所に狩りに好適な場所があり、そこでシカを狙っているのではないかと考えている。5年ほど前に、オオカミはシカを食べるために泳いで渡りはじめたのだ。

 

しかし、最近キャンプで訪れたあるグスタフの男性は、オオカミがシカだけを食べているのではないことに気が付いた。ある悪名高い海の捕食者がそのエサになっているようなのだ。

 

グレッグ・ストレベラーはこの方ずっとフィールド生物学者として働いてきた。現在は引退しているが、仕事があまり見つからないというわけではない。

 

ストレベラーがグスタフのすぐ沖にあるプレザント島でキャンプをした時、素早い行動にでる機会があった。

 

その旅にでた3月、ストレベラーは多くのオオカミの痕跡と6頭のラッコの死体を見つけた。

 

「白骨化したものから、肋骨に血がついたものまでさまざまでした」とストレベラーは語った。

 

オオカミは非常に飢えていたため、見つけたものを手あたり次第に食べていたように思える、とストレベラーは言う。ラッコを食べるのは最後の手段だったのではないか?

 

その疑問への答えを導くものをストレベラーは発見した。

 

「フンのかたまりがこれまで見たことのないものでした」

 
その時点で、彼はどの程度役立つのか分かっていた。ストレベラーは娘にビニル袋を箱ごともってくるよう言った。そして忙しくなった。ありがたいことに、家族はストレベラーが普通ではないものを集めることに理解を示してくれた。娘は手伝ってもくれた。

 

 

彼らはオオカミのフンを40袋以上集めたが、それをどこに送るかが問題だった。以前アラスカ魚類狩猟局に勤務していたため、適切な場所がどこかストレベラーには分かった。

 

「それを5ガロンのバケツに入れて、飛行機に乗せました」

グレッグ・ストレベラーが集めたオオカミのフンを持っているグレッチェン・ロフラー(Photo by Elizabeth Jenkins/Alaska’s Energy Desk)
グレッグ・ストレベラーが集めたオオカミのフンを持っているグレッチェン・ロフラー(Photo by Elizabeth Jenkins/Alaska’s Energy Desk)

州都ジュノーの産業地域で、グレッチェン・ロフラーは格納庫のようなものに鍵を差し込んでいた。

 

「これは大きな冷凍庫です」とロフラーは言う。「動物のパーツをここに保存しています」

 

ジュノーの冷凍庫の中には、ヤギの頭蓋骨やヘラジカの顎や、ストレベラーが送った5ガロンのバケツがある。

 

ロフラーは魚類狩猟局の生物学者で、ストレベラーの発見はありがたいと話した。3年ほど、アラスカ南東部のエリアでオオカミのフンを集めていたからだ。ロフラーは一目見ただけでオオカミが何を食べていたか予想できる。

 

「例えば、端っこから毛が見えますね」ロフラーはビニル袋の中身を説明して言った。

 

しかし、より詳しく知るには、全てのエサのDNAを分析しなければならない。この夏、ロフラーはこれらのサンプルを分析に出すことを考えている。

 

ロフラーはオオカミが食べるエサは季節や場所によって変わるということを知っている。オオカミは日和見主義なのだ。ある場所ではヘラジカやシカを食べる。しかし、ポイントグスタフの辺りでは、検査結果にあらわれた一般的なエサはラッコだ。

 

「アラスカ南東部の他の場所ではこのような結果は見られません」とロフラーは言う。

 

生物学者はなぜこのようなことが起こるのかはっきり分からない。しかし、フンに含まれる様々なエサの種類をよく知ることで、今後の管理に対する鍵や影響を与えることがあるかもしれない。

 

ストレベラーが言うには、グスタフの猟師は、シカを食べにプレゼント島へ泳いで渡ってくるオオカミが増えることにワクワクしてはいない。

 

「シカは私たちの主要な肉源なので」とストレベラーは言う。「みんなうんざりしているのです」

 

ストレベラーは、海を渡ってくるオオカミがこの一つの群れだけなのか知りたいと思っている。この島のシカにとって不吉な予兆だとは思っていない。レストランで食事を終えたら次のレストランへ向かうようなものだ。機会があれば気に入ったレストランへまた行きたいと思うようなものだ。

 

「本当に知りたいのは、島のオオカミと本土のオオカミにどのようなつながりがあるかということです」

 

ストレベラーの集めたフンが、それらがどう異なるか示す役に立つかもしれない。

 

噛みちぎられたラッコについては、南東部の人々は因果応報だと解釈するかもしれないということをストレベラーは理解している。漁師たちが最も嫌いな海洋動物を一つ挙げるとするなら、おそらくラッコが勝つだろう。お気に入りの漁場でエサに噛みついてきたが、捕食者だったラッコが被食者になりつつあるのだ。

 

しかし、ストレベラーはオオカミもラッコも私たちに生態系や私たち自身について共通のことを教えてくれていると言う。何事も栄枯盛衰なのだ。ストレベラーは知っている。

 

ストレベラーは60年ほど前、この場所にラッコを再導入する手伝いをした。

 

「私は別にそのことに今でもこだわっているわけではありません。それはまた別の話です」

 

しかし、ストレベラーは予期せずラッコが現れる場所を記録できるよう、ビニル袋をいつも用意している。